陰陽師の狂愛の鎖
「は、はい。わかりました」

ダメ出しかな、それとも怒られるのかな。憂鬱になりながらも友達に待っていてほしいと伝え、私は一人で講義室に向かう。でも講義室って薄暗くて霊が見えない人でも怖いって思うんだよね。

「失礼します」

ノックをし、講義室に入ると教授はいなかった。電気がついていないためいつもより暗くて不気味な教室がある。

「いない……。自分から呼んだのに……」

この薄気味悪い部屋で待つのは嫌だけど、しょうがない。私は教室で教授が来るのを待つことにした。電気をとりあえずつけようと教室の中に入った刹那、異変が起こる。

電気のスイッチを押しても電気がつかない。この前電灯を替えたばかりだから、電灯が壊れたわけではないだろう。

「……嫌な予感がする」

私は自分で閉めたドアに手をかける。しかし、どれだけドアノブを回してもドアが開かない。私はこの教室に閉じ込められてしまった。でも、これはただの偶然なんかじゃないって自分自身がよくわかってる。
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