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身内の犯行か、思い込みか


Kosei Side

最近、少しだけ奇妙なことが続いている。
ある時は、

紫「光成、俺の作ったレジュメが入ってるファイル知らない?」
「いつもの棚のところに戻したよ」
紫「あれー?どこいったんだろ?あのファイル」

またある時は、

白「あれ?ダウンロードしたはずのデータが消えてる…」
「まじか、大丈夫?」
白「もー、また一からやり直しかぁ」

俺らの資料が度々行方をくらますこと。

そして、

橙「もっと高く足上げるためには地面を強く蹴り上げる!」
天咲「っ、!こう?」
桃「うぉー!ナイスキック!」
橙「それや!いい感じやで天咲!」

天咲も直樹と桃田の練習に参加するようになった。
こんなこと、疑いたくもないけど、
もし近くに敵がいるとしたら…

直樹は観察力に長けているから、
俺たちがいつどのような行動をするかは把握しているはず。
そして桃田も、ハードディスクを沢山持っているから、
部屋にパソコンのデータを持ち込むのは簡単…

いや、疑ってしまっては負けだ。
偶然が重なることだってある。
でも、天咲を巻き込むわけにはいかない。
俺はこの日から直樹と桃田を監視することにした。

そしてその夜、

天咲「ねぇ、光成って院卒だって聞いたんだけど…」
「うん、そうだよ」
天咲「今は休学してるんだけど、春からまた大学に通いたいと思ってるんだけどさ」
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