monochrome
その夜。
みんなが寝静まった夜に、不安になってもう一度外を確かめた。
辺りを見回しても、あの車はいなかった。
早く突き止めなければという焦燥感から、ファイルのある部屋へと足を進めた。
すると、何やら明かりがついている。
…まさか、侵入者?
相手に気づかれないように、赤井さんのピストルを棚から抜き出した。
そして中へ入り、そいつに銃を向ける。
「動くな、」
自分でも驚く程に低い声が出た。
ギィ、と床の音を鳴らし、ゆっくりとそいつが手をあげる。
黒のオーバーサイズのパーカーでフードを被っている。
篤志がよく使うパソコンが起動されており、
見知らぬUSBが刺さっている。
「フードを取ってこちらを向け」
そいつが、ゆっくりとフードをさげた。
「、!」
そして、こちらを振り向く。
…なんで、なんでだよ。
「嘘だろ、」
フードを取ってこちらを見たのは、
天咲だった。