monochrome

そして相手に傾聴すること。耳を傾け、受容的態度で話を聞くこと。

赤「俺には妹がいて。…」

そして健斗は、自分の過去のことを全て話してくれた。

「私には、過去の健斗みたいに、怒りに身を任せて暴走して欲しくないんだね」
赤「そう、この後悔を背負って欲しくない」
「優しいね、健斗は」
赤「天咲を想う気持ちは、誰よりも強いからね」

じゃあなんで銃を向けてるの?とは、聞かない。
一通り健斗の話を聞いたところで、私は自分の真の目的を告げる。

「私には、9人がいる。1度絶望した世界から救ってくれた9人が。
だから私が暴走した時も、死ぬ気で私を止めてくれる。
さっきは人を信じすぎるなって言ったけど、私は貴方達に殺されても貴方達を恨んだりはしない。
でもみんなと生きたい。だから、ここで自分の過去に蹴りをつけたいの」

「健斗、私を仲間に入れてください」

真の目的、望ましい行動を提示した。
すると健斗は、ふふっと微笑んだ。

赤「合格だよ天咲。君は強いね」

そう言った刹那、

カチャッ、パシュッ

「…、!」

ピストルの引き金を引いた。
< 56 / 134 >

この作品をシェア

pagetop