キミの世界で一番嫌いな人。
「うまく撮ってねアッキー!」
「はい、チーズ、」
カシャッ───。
京都にかかる大きな橋の下。
流れる川をバックにパシャリ。
「あ、半目だ」
「ちょっと!」
「内カメがあるんだから自分で撮ればいいじゃん」
「あっ、そっか!」
なんと私は、この旅行前に先輩のメアドをゲットしてしまって。
修学旅行での写真を送るからと言って、無理やりにも聞き出した数日前。
新幹線での写真から始まって、移り変わる景色、どーでもいい写真、あるだけ送りまくっていた。
“うぜぇ”と返信があったのは、ついさっき。
「アッキー!一緒に撮ろーよ!」
「俺、写真きらいなんだけど」
「いいじゃんっ!俺たちの友情の証に!」
「…お前ほんと、なんだろ…、いいやもう、」
ん?とはてなを浮かべながらも、アッキーと初めての2ショット。
嫌いとか言っておきながら写真映りいいし。
やっぱり元が良いと写真にも格好よく写っちゃうんだ…。
これも先輩に送信っと。
───ピロンッ。
「あっ返信きた!早い!……あははっ」
“ブロックする”と、一言。