キミの世界で一番嫌いな人。
男としての覚悟
ギャル、ギャル、ギャルにそしてギャル。
男ばかりの男子校は、ただの不良の共学高校に変わった。
類は友を呼ぶ…とは、このことか。
「ねぇねぇ君たち可愛いね!良かったら俺たちのクラス来ない?」
「え~、なにそれ~?ホスト?」
「VIPルームも用意してるよ」
───文化祭。
この錆びれた男子校に女の子が来る一大イベントだからか、不良たちもどこか楽しんでいる。
ホストやらお化け屋敷やら占いやら、たこ焼きやら焼きそばやら。
ボロボロな窓ガラスが、この日だけは雰囲気を作った。
「チビ、こんなところに居た。そろそろお前の番だってさ」
「おう、すぐ行く!」
廊下を走れば女の子たちとイチャイチャする男で溢れかえっていて。
トイレなんか行かないほうがいい。
裏庭も理科室もだめ。
「早くしろよ、俺おまえのぶんまでやってんだから」
私のクラスは執事喫茶。
ベストに蝶ネクタイ。
アッキーは長い尾ひれのついたジャケットを着て、たらーっとなってる頭の良さそうなメガネをかけて。
いちばん楽しんでるのは絶対あいつだ。
まぁ、様になっちゃうから何とも言えないんだけど。