キミの世界で一番嫌いな人。




「ごめんアッキー遅れた!」


「あとで焼きそば奢れよ」


「俺も食べたかったし、ちょうどいいよ!一緒に食べよ!」



というか私は結局裏方だし、アッキーはご指名ばかりだから接客。

仕事は全然ちがうから、あまり遅れたとか関係ないような気がするのに…。



「よしっ、アッキーできたよ!」


「お、やっぱ他の奴らより器用だねお前」


「そう?」



紅茶と手軽なケーキを用意して。

最後にマカロンをそれっぽく飾れば、本当にそれっぽくなる。



「お嬢様、こちらは本日のメインディッシュとなります」


「きゃ~~~!!格好いい~~~!」



営業スマイルがすごい。

アッキー女嫌いなとこあるから、ぜったい腹の中では「面倒」って思ってるに違いないのに。


それでも愛想だけはいいからなあ、私の…俺の友達は。



「あとで一緒に写真撮ってもらえませんか?」


「写真?俺、写真は嫌いなんだよね」


「1枚だけでいいので…!」


「ごめんねー。そういうサービスはしてないんだ」



それにしてもさっき、夏実ちゃん。

先輩を見て顔を赤くさせてた。


いつから仲良くなったんだろう……、
やっぱりあの合コンでかな…?



「うわっ…!小鳥遊!お前ボーッとしてんなよ!!」


「ご、ごめんっ!」



ガシャーン!!!と、床に落としてしまったお皿。

幸い割れなかったものの、静寂が包んだ。


「ばぁか」と、廣瀬 秋斗の口パクも追いかけてくる。



「も、申し訳ありません、お嬢様方」



なんて執事っぽくペコリとお辞儀をしとけば、ざわめきは戻る。



< 125 / 340 >

この作品をシェア

pagetop