キミの世界で一番嫌いな人。
「ごめんアッキー遅れた!」
「あとで焼きそば奢れよ」
「俺も食べたかったし、ちょうどいいよ!一緒に食べよ!」
というか私は結局裏方だし、アッキーはご指名ばかりだから接客。
仕事は全然ちがうから、あまり遅れたとか関係ないような気がするのに…。
「よしっ、アッキーできたよ!」
「お、やっぱ他の奴らより器用だねお前」
「そう?」
紅茶と手軽なケーキを用意して。
最後にマカロンをそれっぽく飾れば、本当にそれっぽくなる。
「お嬢様、こちらは本日のメインディッシュとなります」
「きゃ~~~!!格好いい~~~!」
営業スマイルがすごい。
アッキー女嫌いなとこあるから、ぜったい腹の中では「面倒」って思ってるに違いないのに。
それでも愛想だけはいいからなあ、私の…俺の友達は。
「あとで一緒に写真撮ってもらえませんか?」
「写真?俺、写真は嫌いなんだよね」
「1枚だけでいいので…!」
「ごめんねー。そういうサービスはしてないんだ」
それにしてもさっき、夏実ちゃん。
先輩を見て顔を赤くさせてた。
いつから仲良くなったんだろう……、
やっぱりあの合コンでかな…?
「うわっ…!小鳥遊!お前ボーッとしてんなよ!!」
「ご、ごめんっ!」
ガシャーン!!!と、床に落としてしまったお皿。
幸い割れなかったものの、静寂が包んだ。
「ばぁか」と、廣瀬 秋斗の口パクも追いかけてくる。
「も、申し訳ありません、お嬢様方」
なんて執事っぽくペコリとお辞儀をしとけば、ざわめきは戻る。