キミの世界で一番嫌いな人。




アッキーは先輩と違って、薄い顔立ち。

先輩がしょうゆ顔なら、塩顔っていうのかな。


でもアッキー、たまに優しい感じにもなるから甘さを追加して砂糖顔?

結局ふたりとも整っちゃってるから、そんなのどちらでもいい気がするけど。


…なんて、こーいうときって今考えなくていいでしょってことを考えてしまう。



「…もう…殺しちゃってるんだよ、私…、先輩の人生も心臓も……殺しちゃってる」



走ることも、好きなことも。
誰かと愛し合うことも。

この先できるはずだった彼の人生を、彼の当たり前を。


なにも関係ない私が横からすべて奪ってしまって。



「私が…殺したんだよ…、私が走れるようになったのも、いま普通に生きれてるのも……、それはぜんぶ私が先輩から奪ったから…っ」



トモダチって都合がいいから。

なに言っても、どんな顔をしても大丈夫だろうって思っちゃう。


この人は女だってことを知ってるから。

今は完全に私は私でしかなかった。



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