キミの世界で一番嫌いな人。
「俺からすればそれはある意味、願ったり叶ったりだけど」
いつも通りに笑ってくれた友達。
アッキーはやっぱりアッキーだ。
こんな中でさえも彼は廣瀬 秋斗でしかない。
それってすごいことだ。
その才能が私も欲しいくらい。
「まぁ、なんとなくわかったよ。それで藤城サンのために男になってまで湊川に来たってわけだ」
なるほどねぇと落としたアッキーは、ベンチから立ち上がって。
ゆっくりゆったり私の前に来ると───、
「っ…!」
ぐいっと、涙を乱暴に拭ってくれた。
その度に流れるから、「なにこれどういう仕組み?」なんて言って笑ってる。
「それで、あの人はここまで俺のトモダチ泣かせてくれちゃってさ。腹立つよねぇ相変わらず」
「アッキぃ…っ、」
「うわ、鼻水すご。吸い込め」
す、吸い込めって…。
鼻水って出すものじゃないの…?
じゅるるるるる───…
うん、なんとか吸い込んだ。
「そしたら飲み込め」
「う、うんっ」
ごっくん。
「飲み込んだ!」