キミの世界で一番嫌いな人。
秋斗side




「ありがとアッキー!いつか女の子に戻れたら毎日着るよ…!」



毎日なんて大袈裟。

まるで、初めて誰かに何かをプレゼントされた子供みたいだ。

まさかそこまで喜んでくれるなんて思ってなかった。


バタンと、屋上の重い扉が閉まる。



「…なーんかムカつくなあ」



そんな罪悪感背負う必要ある?
殺したって、生きてるじゃん。

詳しい内容なんか知らないだろうから思えたことだろうけどさ。



「教えてもくれないし」



藤城サンとチビには誰にも入れないような何かで繋がってるような気がして。


そう思うとすっごい腹が立つ。

久しぶりに喧嘩したい気分だ、誰かを殴りたい。



「…トモダチ、ねぇ」



チビと出会ってから、故意的に喧嘩をすることは避けていた。

そこまで問題を起こして退学になりたくなかったから。


どうしてかは、わからないけど。



「……俺を好きになればいいのに」



そしたら俺は女として扱ってやれるし。

お前、男で生きるって相当リスクあるよ?



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