キミの世界で一番嫌いな人。
つい隣で見つめてしまっている私。
記憶の中より、当たり前だけど大きくなっていて。
でもやっぱり純日本人とは言えない独特のオーラがある。
病院で初めて目にしたとき、外国人かな?と思った。
「ハンカチ」
「…え?」
「ハンカチ出せって。…持ってねぇのか」
水に滴りながら睨まれてしまった。
ガサゴソとブレザーのポケット、ズボンのポケットを漁ってみるけど…。
男はそういうものは持たないと、勝手な偏見であえて家に置いてきたんだった……。
「すみません…無いです、」
「ならこれでいい」
「ぅわっ…!!」
グイッと無理やりブレザーを脱がされた私は、ワイシャツ姿となった。
そんなブレザーで顔を拭く藤城 理久。
容赦なく拭いて、一言こぼす。
「…女みたいな匂いしてんなお前」
ドキッとした。
冷や汗が垂れた。
でもここで動揺したら逆にだめ。
「ふ、双子の妹が居るんで…、そいつの匂いだと思います」
「…双子…」
「顔も似てるからよく間違えられるんですよねぇ、あはは」