キミの世界で一番嫌いな人。
回り出した時計
「ちょっとアッキ……秋斗くん!まだ早いですって!」
「アルデンテって知らないの妹ちゃん」
「これまだ入れて3分くらいしか経ってないです…!カップラーメンじゃないんだからっ」
「あははっ、お湯を入れて3分ってね。お湯に入れて3分か」
いやそんなんどっちでもいいわっ!!
…と、ツッコミたくなった土曜日。
こうなると2度ゆではできないから、余熱とソース作りのときにしっかりフライパンで火を加えよう。
そんなキッチンに立つ私の隣には、アッキー。
そこから見えるリビングのソファーに座る、ふたり。
「ふふっ、この芸人さん面白いですよね。藤城さん知ってますか?」
「知らん。そこまでテレビ見ない」
「そうなんですか?今度一緒にお笑いライブ行ってみませんか?」
「…あいつらと行けよ」
なぁんて、さっきからチラチラと聞こえる仲良さそうな会話。
バンッとフライパンに生クリームを強引に入れれば、「あれ?嫉妬?」なんて、耳元で言ってくるアッキー。
…とりあえず睨んでおいた。