キミの世界で一番嫌いな人。
そもそも、どうしてこんなことになっているのかというと。
ここは私の家であるマンション。
アッキーは本当に私の手料理が食べたいらしく、遊びに来たわけで。
それを“兄”として一応先輩に報告したら、まさかの彼も来ることになって。
そこに+1人を連れてきた。
「あの2人って、結局付き合ってるのかな」
「…知らない」
何より私は女の子の格好。
アッキーからもらったワンピースに、ウィッグ。
“小鳥遊 青葉の妹”として、ここにいる。
そんな本人は祖母の家に行っている、なんて嘘をついて。
「秋斗くん、味見してもらってもいいですか?」
「…あーんってしてくれる?」
「はい、あーん」
そのままスプーンをアッキーの口元へ持っていくと、目をパチパチとさせてくる。
ん?と、思わず首を傾げた。
「どうかしたんですか?」
こんなの今さらだ。
学校ではお互いのお昼ご飯を奪い合ったりしてる毎日だし。
「…どーも」
視線を逸らしながら、パクっと口に入れたアッキー。