キミの世界で一番嫌いな人。




乗りきれる…?
いける?だめ…?


伺うように覗いてみれば、そこまで気にしていないみたいで。

手にしていたブレザーは私の顔面へ投げられた。



「うぶ…っ!あっ、あの!先輩!!」



また去ってしまう背中は、今度こそは振り返ってくれた。


言わなきゃ、言え。


お身体、大丈夫ですか?
あまり走れないのは私のせいなんです。

あのとき、あなたはお父さんから何を言われたの…?


どうして私に心臓をくれたの……?



「お、俺と友達になってくれませんか…!!」


「脚下」


「じゃあ弟子にしてくださいっ!」


「ふざけんな」



まずはこの人と仲良くなることだ。

どうにもこの先輩は、誰かとつるんだりするようなキャラじゃないっぽいから。


友達が駄目なら、“弟子”なんて言ってみた。



「俺はお前みたいな熱血馬鹿が大嫌いなんだよ。金輪際視界に現れんな」



そ、そりゃそうだ…。
ごもっともすぎる……。

牛乳降りかけた上に友達だなんて。

弟子だなんて、誰がするのかと。


ああ、なんというか。

すごく最悪な再会をしてしまったらしい。



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