キミの世界で一番嫌いな人。
「俺はとりあえず1年と2年絞めといたから、3年は藤城サンに任せるよ」
「大体はもう終わった」
「さすが。仕事が早いや」
先輩は疑わなかった。
もちろん罪悪感はある。
だけど“妹”だと思っている本当の私のことも見ているし、彼はそういう人ではないらしい。
ただの嫌がらせだと思っていて、噂など気にする人じゃないから。
「チビー、平気?きのう背中におもいっきり飛び蹴り食らってたけど」
「…大丈夫。アッキーがそのあとフルボッコにしてくれたから」
そして先輩も私のことをいつも助けてくれた。
あまり動かせたくはないから、「気にしなくていい」とは言っているのに。
集まった屋上は今では私たちのたまり場のようなものになっていて。
アッキーもいつからか当たり前のように、この場所に向かう。
「お前、…これ妹にも被害出るんじゃねぇのか」
うん、もう出てる。
なうで食らってる。
「…そこは俺もちゃんと守ってるから大丈夫です。先輩も心配してたって伝えときますね」
「やめろ。別に言わなくていい」