キミの世界で一番嫌いな人。
「なんだあ秋斗!お前が誰かを連れてくるなんて初めてじゃねえか!」
「こいつ俺のトモダチ」
「友達ぃ!?母さん!秋斗が友達だってよ!!」
暖簾の先はもんじゃ焼き屋さん。
鉄板の埋まったテーブルが並べられる、風情あるお店。
鉢巻を巻いてエプロンをした豪快な見た目のおじさんは、アッキーの横にいる私を見つめては嬉しそうに笑いかけてくれた。
「なにか食べに行かない?」と、学校帰りに言われたと思えば。
アッキーはひょいひょいと私を連れて、ひとつのお店に向かった。
「…ここ、俺ん家」
「えっ、そうなの!?じゃあさっきの人はアッキーのお父さん?」
「んーまぁ、そんな感じかな」
慣れた手つきでもんじゃを作るアッキー。
オススメだという、明太もちもんじゃ。
名前だけで美味しそう…。
私はまだかまだかと、鉄板に広がるそれをじーっと眺めていた。
「うまっ!!」
「でしょ」
ジューッと焼いて、パクっと口に運ぶ。
もんじゃ焼きは初めて食べた。
実はずっと気になっていたから、ここに連れて来られたときワクワクしていた私。