キミの世界で一番嫌いな人。
「これからも仲良くしてやってねぇ、青葉くん!」
「もちろんです!俺、アッキーとはこれからもずっと離れないような気がするんです」
「あらぁ嬉しいわぁ!こんな奴だけど、これからもよろしくね~」
「はいっ!」
お母さんはアッキーの頭をわしゃわしゃと撫でると、ついでに私の頭も撫でてくれた。
「おいっ、やめろよ恥ずかしい!」
「なーに遠慮してんのさ!スカしちゃって!」
わ、アッキーのこんな顔…初めて見た。
家ではいつもこんな感じなのかな…。
ナンバー2って学校では恐れられてるけど、こう見るとやっぱり普通の高校生だ。
「ふっ、あははっ!」
「…ほら、チビに笑われたじゃん」
「ちょっ、お友達にチビってどういうあだ名よ秋斗!」
「だからいちいち髪触るなって!」
肝っ玉母ちゃん、なんて言葉がお似合いの人だ。
たくさん食べたぶん、ぜんぶ奢ってもらっちゃって。
いろんな話をして、そろそろ帰ろうかと思っていたとき。
「あれ?アキ!?」
「うそ!久しぶりじゃん!」
お店を出ようとした寸前、鉢合わせたのはギャル2人。
うわ…、見覚えがある。
ガングロ肌に金髪、ルーズソックス。
スカートなんかもうパンツが見えそうだ。
「うわっ!チェリーくんも居んじゃん!」
「ウケるんですけど!アキ、まだこんなのとつるんでんの?」
そう、あの恐怖の合コン女子だ。
いま考えると、本当に全員ろくな奴じゃなかった。
いちばん大人しそうな子があの子だもんなぁ…。