キミの世界で一番嫌いな人。




「あんた、そういえば女だって噂あるんだって?」


「チェリーこじらせてとうとう頭沸いたの?」



ほら、結局。
こういう流れになるってわかってた。

慣れたっていうのは変かもしれないけど、こーいうときはスルーがいちばん。



「やめときなよアキ。こんなのと絡めばアキの株も下がるよ?」


「別にいいけど。こいつ、あんたらと違って面白いし」



アッキーが庇ってくれた…。


カラオケのときのことを思い出した。

あのときはアッキーも私のことを馬鹿にしてたというのに。


いろいろあったもんなぁ…、今まで。

体育祭や修学旅行に文化祭。
その全部には必ずアッキーがいた。



「なーに~、変わっちゃったねアキ」


「そりゃどうも。用はそれだけ?悪いけどお前らみたいな馬鹿女に出すもんじゃ焼きは用意してないけど」


「なっ、なによっ」



すると1人の女は、近くのテーブルに置いてあったジョッキを手にした。

さっきまで私たちが座っていたテーブルだ。


そうそう、ここで出される飲み物ってジュースだとしてもジョッキで出てくるから太っ腹だなぁなんて笑ってた。



「───チビ!」



え、と、

アッキーの珍しい声に反応できず。



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