キミの世界で一番嫌いな人。
「ねえ、俺いつからお前のトモダチになったわけ?」
いつからそれを知ってたわけ───?と、返したくなった朝。
転校して数週間。
今日は寝坊してしまって朝食を家で取れなかったため、コンビニで買ったパンを教室で食べていたとき。
そもそもこの学校に遅刻とかあるのか不思議だけど…。
「なんか風の噂で聞いたんだけど」
廣瀬 秋斗。
私の中で通称“アッキー”は、私が手にするパンをひょいっと奪うようにして現れた。
「この学校のナンバー2がお前みたいなチビとつるんでるんだってさ。迷惑な噂だよね」
「……なんの話かな」
「とぼけるなよ。鼻へし折られたい?」
「っ…!」
すぐに自分の鼻、隠します。
愛想いい顔してるのに、恐ろしいことを言ってくる。
やっぱりこの男は強そうだ…。
クラスメイトだって、いつもアッキーが教室に入って来たらすぐ静かになるし…。
どうやらナンバー2というのは嘘じゃないらしくて、それならナンバー1は誰なんだろう?とも気になるところ。
でも今はそんなことじゃなく、もっと大問題に直面している。