キミの世界で一番嫌いな人。




たぶん今のあんたとならいい勝負だと思うよ?

あんたもあれから機嫌悪いし、それに俺だってあんたには恨みしかない。

やっと消えたと思っていた殺意が、また沸き上がってきた。


さすがに親友をあんなに泣かせてくれちゃあね。



「あんたは俺から母親と親友奪ってんだよ。それくらいしてくれよ、なあ」



マスクと前髪から覗いた目は、同じような殺意に似たもので溢れていたから。

少し、ゾクゾクした。

それくらいじゃなきゃつまらない。
俺だって本気でやり合いたい。



「…わかった」



チビ、おまえ今どこにいんの?
なんで返信ないの?

てか、ブロックしてる?



「それと、…あいつなら田舎の祖母の家にいるらしい」



だからなんであんたが知ってんだよ。


祖母……?

お前、俺が頑張らなくていいって言ったから本当に頑張るのやめたってわけ?


馬鹿じゃないの、お前。
俺たちトモダチだろ。

男女の友情なんかありえないよ、知ってるよ。


だから俺はもう、我慢しない。



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