キミの世界で一番嫌いな人。




「いいの?俺、あいつ取っちゃうけど」


「…好きにすりゃいいだろ。俺にはもう関係ない」



藤城サンはそのまま外へ向かうと、待ち伏せていたように門の前には1人の女子生徒の姿。

まぁ卒業だし、確かにもう授業もあんま無いとしてもさ。



「…なんだよそれ」



まさかあのオンナと遊び呆けてるなんて。


メガネかけてたのにいつの間にコンタクトにしたの?

なにそれまったく似合ってないよ?

お前のせいで俺の大事な子がここから消えたんだよ。


オンナじゃなかったら普通に立てなくしてるからね俺。



「藤城サン、趣味わるすぎ」



チビのほうが可愛いよ。

あいつ今、田舎で女子高生してんの?
普通にスカート履いてんの?


それなら俺はもう男として扱わなくていいってことだよね。

それにもう、…髪だって伸ばしていいんだよ。



「俺とはずっと離れないって言ってただろ。…覚えとけよ、あのチビ」



俺とお前はもうトモダチなんかじゃない。

確かに男のお前はトモダチだけど、でも今は女。


女のお前は、カノジョ───とか?








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