キミの世界で一番嫌いな人。





ずいぶんと校門前が騒がしい。

ひゅるるるる───と、冬の風に身震いをしながら放課後の委員会活動に専念していた。


整美委員会。

委員会活動なんか湊川ではなかったのに、田舎の高校はそういうものは徹底しているらしく。

放課後、ゴミの分別をして裏庭に運んでいた私。



「つめた…っ!」



中庭の水道で手を洗うだけで、全身が凍ってしまうかと思った。

やっぱり山が近いと、水道の水すらもありえないくらい冷たい。


ここでいじめられなくて良かった…。

もしこの水を頭から被っていたらと想像すると悪寒が止まらない。


なんか今日、身震いや悪寒が多い日だなあ…。



「ええっ!東京からですか!?都会~!!」


「あのっ!一緒に写真撮ってもらえませんか!?」


「やばい!ちょ~格好いいーーー!!」



まだ校門前がやんややんやと騒がしい。


女の子にあそこまで囲まれるって、誰か有名人でも来たの…?

部活中の女子生徒たちも校庭から駆け寄ってきているし。



「あっ!青葉!!こっちこっち!!」


「どうしたの凛。芸能人でもいるの?」


「東京からすごい格好いい人が来てんの!!ここに友達がいるんだって!!」


「へー」



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