キミの世界で一番嫌いな人。




どうしよう、追いかけてきてる…。

ぜんぜん普通に校内に入ってきてる…!!



「そこ!廊下は走らない!!」


「あぁごめんね、センセ」


「えっ…」



先生まで誘惑してんじゃないよアッキー!!

それに先生も顔を赤くさせてるし…!



「はぁっ、はあ…っ!」



そして何とか撒けた…はず。


理科準備室。

骸骨の模型があるから、あまり人の来ない場所。

とくに放課後は。


それでも湊川にいた私からすれば、骸骨なんか慣れっこ。

そういう旗とか掲げられてるようなとこだったし。



「幻覚…、これは夢、覚めろ覚めろ、」



唱えながら身を踞るようにして隠れる。


音信不通にして、ずっと無視を続けて、なにも言わず転校して。

もう友達だなんて言えない。
どんな顔して会えばいいかも分からない。


ガラガラガラ───ピシャンッ。


ガチャッ。



「っ…」



誰か入ってきた…。

息を殺して、なんとか去って行くのを待つの。


え……、“ガチャッ”…?



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