キミの世界で一番嫌いな人。

ヒーロー

秋斗side




まったく、なんで俺がこんなことしなくちゃならないんだよ。

そもそも学年ちがうし。

たとえあの人が万年ぼっちだとしても、俺って教師からあの男のトモダチだと思われてるわけ?



「あのー、藤城 理久の知り合いの者ですが…」


「学校のお友達ですか?」


「…まぁ、」


「こちらへどうぞ」



あの人の担任から渡されたファイルを持って、隣町の病院へは来たけど。

俺、トモダチじゃないし。



「うわ、死にそうじゃん藤城サン」


「…うるせぇ」



顔色の悪さから圧倒的に血が足りてないことが分かる。

なんとか起き上がった、みたいな。

点滴もついてるし、そもそもよくわからない重大な機械も傍にセットされていて。


本当にもうそろそろ寿命近づいてるんじゃないの?



「これ、あんたの担任からのお届け物」


「…お前が来るとか意味わかんねぇな」


「ほんとだよ。でも、死にそうな藤城サン見て“ざまぁ”って言いたかったし」



はっと、笑う表情だって。

あんたらしくない。



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