キミの世界で一番嫌いな人。
「謝罪の先は“ーーー”…なんて」
私があなたのぶんまで走ります。
たくさんたくさん、走ります。
でもいつか私は、あなたといっしょに走りたいです。
私に命をくれて、ありがとう。
たかなし あおば
「ちょっとクサすぎたかしら」
俺はその折り紙をぎゅっと握りしめた。
そして、頬に流れる涙をぐいっと拭う。
「…いえ。…俺も、そうだと思います」
お前が思う謝罪なんか、もういらない。
もういろいろ解決しなくていい。
お前が自分を赦せなくても、俺がお前を許せなくても。
俺が俺を許せなくても。
お前の父親を俺たちがゆるせなくても。
「私からもあの子の主治医として、…いいえ、それ以上に母親として言わせてもらうわ」
トクトクトク。
俺の心臓に流れる鮮明な音をしっかりと感じた。
「藤城くん。───…青葉に命を与えてくれて、本当にありがとう」
俺はただ、お前に会いたい。
俺のヒーローに、会いたい。