キミの世界で一番嫌いな人。
まったく俺の親友は本当に馬鹿だからさ。
誰よりも責任感が強くて、それなのに泣き虫で。
ズル賢くて放っておけなくて。
「これは俺の親友と、超かわいい元カノ泣かせてくれたお詫びね」
ガ───ッッ!!!
「はっ…!!」
最大の力で藤城 理久の頬に拳を1発食らわせた。
俺、これがずっとしたかった。
泣いてる親友を前にして、それでも頑張る頑張るって言って泣きながらも笑うチビを前にして。
いつか絶対これだけはこの男に食らわせるって。
「…お前とは…たぶん、俺はもしかしたら兄弟になってた未来もあったんじゃねぇかなって……思う…ッ!」
「ぐっ…、はっ、」
うわ、つっよ…。
今まで食らったことのないような蹴りが、俺の腹にモロ入った。
兄弟……?
そんなの俺だって思ってたよ、ずっと。
俺たちの親が両方まともだったら、俺を捨てるような母親じゃなかったら。
あんたと俺は、血が繋がらなくとも兄と弟になってたんじゃないかって。
それで今みたいに毎日のように兄弟喧嘩してたんじゃないかって。
「知ってるだろうけど、あんたを救ったのは青葉ちゃんだよ」
「…青葉ちゃんとか言ってんじゃねぇよ」
「は?そこ?あんたって意外と器小さいね」