キミの世界で一番嫌いな人。




「…お前さ、なんで藤城サンにあんな絡んでんの?」


「え?」



なんでって…。

それは言えないけど、彼は前にも似たようなことを聞いてきた。


どこか藤城 理久に執着でもあるのかな。



「それは…秘密。でも今度秋斗くんも一緒に先輩のとこ行こうよ!」


「…誰が行くかよ」


「やっぱり相手は湊川のトップだから怖いのかぁ…、さすがのナンバー2でもね、そだよねうんうん」


「……お前って弱いくせに挑発してくるよね」



咄嗟に鼻を隠した。

つい言ってしまった言葉の代償は、骨を折られる。


けれどそんなものすら興味なさそうに、震えたスマホを耳に当てたアッキー。



「なに?今日?…んー、まぁいいよ」



やっぱり難しいな…。

どうやったら友達になれるんだろう…。
体育祭で何か良い方法とかないかなぁ。

ほら、騎馬戦で同じチームだし。



「どこのホテル?いつものとこ?ゴム持ってる?俺つかっちゃって無いけど」


「ぶーーーっ…!!ごほっ!ごほっ!!」


「…あぁ気にしないで。俺の隣に馬鹿がいるだけだから」



なにをこいつは教室で普通に喋ってるの。

どんな内容だ、どんなヤツだ相手は。
なんだホテルって。

なんだ………ゴムって。



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