キミの世界で一番嫌いな人。
「お前が嫌ならぜんぜん蹴ってくれていいし、俺も正直そいつは嫌いだから。
また何かやらかせばもちろん俺が殴ってあげるから安心してチビ」
殴る…?
え、誰が来るの…?
特別ゲストって、なに、なんかすごい喧嘩が強い人でも来るの…?
それのどこが特別なの。
アッキーに殴られるその人も可哀想だと少し思った。
アッキーの強さは修学旅行のときと、それ以上に血だらけの先輩が会いに来てくれたときに十分お察し済みだ。
「お前には最強なセコムが2人もついてるから。なにも心配しなくていいよ、ねぇ理久」
「あぁ」
先輩もそのことは知っているようだ。
右に先輩、左にアッキー。
確かに最強なセコムすぎる…。
なんというパワーワード。
そんな私たちの前、暖簾のかかる扉から姿を現したのは。
「…な、夏実、ちゃん……、」
再びメガネ姿となっている女の子は、髪も巻いていなかった。
まるであのときの姿は無理をしていた、と言うみたいに。
でもこっちのほうが可愛い、すっごく。
「お前とトモダチになりたいんだってさ」