キミの世界で一番嫌いな人。




いやいやいや。

ここまで勝ち進んでとうとう決勝に来てしまったけど…。



「両者挨拶!」



選手向かい合って挨拶をするだけなのに、もう帰りたくなってる私がいる。


2-Bが決勝にまで上り詰めたのはもちろんアッキーのおかげ。

あの人はどうやら何でもできちゃうらしく、私はただボールを追いかけてるだけだった。



「てめえ、いま唾吐きやがったなゴラァ」


「あ”?2年のくせに調子乗んなよ」



決勝戦の相手は3-A。
そのクラスは先輩のクラスだった。

なんでも、この学校でいちばん恐れられてるクラスらしく。

どうにも喧嘩に強い者だけが集まってるらしい。


なんでジャージはすでに血だらけなの…?
戦ですか?時代を間違えた?

って、レベルだ。



「てめえがナンバー2って噂の廣瀬 秋斗か?」


「顔近づけるなよ。気持ち悪いから」


「あ”ぁ”!?ぶっ殺すぞてめえ!!」



メンチを切られてるというのにまったく動じないアッキーはニコニコ笑ってる。

だけど、開眼したときはヤバいこと。


だんだんこの人の生態がわかってきた、この頃。



「え?なに?ごめんよく聞こえなかった」



ドガッ───!!



「ぎぃゃゃぁぁあああ!!!」



まさかの顔面にめり込む拳。

そいつは私の横で爽やかな笑みを落としながら、3年生へと容赦なく吹っかけた。



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