キミの世界で一番嫌いな人。
パタンと倒れた相手側の1名、一瞬にして再起不能。
「殺すってこーいうこと?」
いや聞こえてんじゃん。
だけどそれ以上に乱闘にならないのは、相手がこの男だからだろう。
恐るべし廣瀬 秋斗…。
チラッと隣を見つめれば、「ん?」なんて首を傾げてるし。
「お前が転校生か?女みてぇだなァ」
すると私を隠してくる影。
3年生ってこんなに大きいんだ…。
とりあえず今すぐにでも逃げたい…。
怖すぎる、なんだここ。
………ゴリラしかいない。
「あーこいつ、センパイのことさっきクソデブゴリラって言ってたよ」
「なっ…!」
「ぁ”あ”!?!?」
いや思ったけども!!
なんなのこいつエスパーなの!?
でもそこまでは思ってないよ!!
「言ってない言ってない!!俺そんなこと言ってないです…!!」
「さっき言ってたじゃん。このセンパイの口臭そうって」
「言ってないって!!!もうお前ほんと黙って!!!」
「誰にお前とか言ってんの?さっきの騎馬戦で落とせば良かったかな俺」
これでシュートを決めれば友達ができる。
まさかこの男が承諾してくれるとは思っていなかったから、今もふわふわしてるけど。
こいつが友達って……大丈夫か、私の高校生活。