キミの世界で一番嫌いな人。




「よしっ!これで勝って優勝しよう!!」



クラスメイトで組む円陣。

もちろん最初はみんなそんなものしてくれなかったけど、アッキーが言ってくれさえすれば言うとおりになるわけで。


アッキーって、いいヤツなのか怖い人なのか全然わかんない。

でもやっぱり友達になれたらいいなあ…。



「てめぇが仕切ってんなよ小鳥遊!!」


「言っとくがお前がいちばん足手まといなんだからな!!」


「つかなんでてめぇなんかがMFなんだよ!!」



そんな野次馬もスルー。

しかしここまで勝ち続けてしまったこともあってか、男たちは意外にも乗り気だった。


他の競技もすべて勝利しているから、これで制覇できれば2年B組は明日から調子に乗れる。



「行くぞーーー!!お前ら!!」


「だから勝手に仕切るなっつってんだろ!!」


「小鳥遊!!てめぇ足引っ張ったらパシリだからな!!」



グラウンドに走って行く手前、校庭脇にひとつの影を発見した。


マスクをして、桜の木に寄りかかりながら見つめている先輩。

屋上から降りて来てくれたの…?
わざわざ試合を見に…?



「せんぱーーーい!!!俺、ぜったい練習の成果発揮しますから!!」



ピーーーーッ!!!

試合開始のホイッスルが鳴った。








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