キミの世界で一番嫌いな人。
理久side




「小鳥遊!!行ったぞ!!」


「おうっ!!」



大きなロングパス、ぐっと待ち構えるそいつ。

ある意味チャンス。
この前教えたことが発揮できればいいんだが。


スコッ───。



「ありゃ?」



案の定、きれいに空振り。

ポンポンと跳ねたボールは、簡単に相手に取られてしまった。



「小鳥遊てめえふざけんなよ!!!」


「せっかくのチャンスだろーが!!」



なにをそんなに熱くなってんだよ。

こんな体育祭は初めてだ。


いつもすぐに喧嘩になって途中終了してしまうというのに、今年は試合が成り立っていた。

ちゃんと勝敗が付けれているから、教師も審判をしていて。



『俺が先輩のぶんまで走ります!!サッカーも騎馬戦も必ず1位獲ります!!』



なにも知らねぇくせに。

お前の馬鹿みたいな笑顔が腹立つ。
そのまっすぐさが、嫌いだ。


何よりお前があの女に似ていることが一番に胸糞悪い。



「チビ!!そのまま走れっ!!」



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