キミの世界で一番嫌いな人。
哀しい再会
ジリジリと太陽が肌を焼く季節がやってきた。
日焼け止めクリームは塗りに塗りたくっているから、どんとこーいな気持ちだ。
だとしても…!!
「あっつい…!」
だめだ、熱い…。
アイスでも買いに行こう。
検診帰りの私は、近くの駄菓子屋に直行。
そんな夏休み───。
学生にとってオアシスのような長期休暇、真っ只中。
「花火大会…」
「あぁ、それ。毎年大勢が参加するんだよ。君も行くのかい?」
近所の常連しか来ないのだろう。
レジカウンターに座るおじさんは、新聞紙を片手に何やら鉛筆で書き物。
貼られたポスターの前に立ち止まった私へと、器用に声をかけてきた。
「花火は3万発だっけな。かなり綺麗だよ」
「…でも人混み嫌いなんですよね~、」
「はははっ。若いのがなに言ってんだい。俺なんか昔はなぁ───」
おじさんの武勇伝を適当に聞き流しながら、カップアイスを4つ購入。
当分は家から出たくない、出ない予定。