キミの世界で一番嫌いな人。




「ん~~おいし!」



シャクシャクと溶かしながら口に運ぶかき氷。


ブルーハワイか迷ったけれど、最終的に唇が真っ青になってしまうからイチゴに。

たぶんこれも今だから許される。

男だったら迷わずメロンかブルーハワイだった。


ドンッ───!



「あっごめんねー」


「こ、こちらこそ…っ」



ぶつかってしまって、ペコッと反射的に頭を下げる。


何度かあったとしても、ここまで豪快にぶつかったのは今が初めて。

若い人っぽいし、ここは穏便に済ませるためにも行儀よくお辞儀をしてからの───



「…げ。」


「人の顔見て“げ”って、ひどくない?」



目の前にはまさかのクラスメイト。


……廣瀬 秋斗だ。

アッキーもお祭りとか来るんだ…。



「あれ?あんた、俺とどこかで会ったことない?」



顎に手を当てて、ズイッと顔を近づけてくる。


というより私服のアッキー、モデルさんみたいだ。


Tシャツにジーンズというシンプルなセットに付け加える、ブーツに黒縁メガネ。

ブレスレットにネックレス。

装飾品で飾るタイプの人間なんだと。



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