キミの世界で一番嫌いな人。




「おい、なに勝手に入ってきてんだよ。金出せ」


「いいからさっさと詰めてよ」


「お前と隣とか気持ち悪い」



男子高校生が入るにはふわふわしていて目映い空間。

そのうちの2人は、ルックスだけでは違和感なく溶け込んでしまっている。


けれど今にも喧嘩が始まりそうな空気に危機を感じていると、ぐいっと腕が引かれた。



「こいつが真ん中ならいいでしょ」



先輩も一応は納得したらしく。

“目の前のレンズを見てね~”なんて、明るい声が響く箱のなか。


───カシャッ!



「………うわ、俺これやだよ!こんなの公開処刑じゃんっ!!」


「お前がちゃんとレンズ見てないからだよ」



そんなことない。

ちゃんと見てた、見てたけど両サイドが完璧すぎるんだってば。


先輩はマスクしてて目元だけなのに、どうしてそんなに整ってるの。

アッキーなんか慣れた感じで映ってるし…。



「こういうときくらい、マスク外せば?それとも湊川のトップは顔の下半身が残念ってこと?」


「アッキー!なんでいちいち煽るような言い方しかできないんだよ…!」



マスク外しても整ってしまってるって、知ってるし。


もっと視線あつめちゃうじゃん…。

………ん?
だとしても私には関係がないことだ。



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