キミの世界で一番嫌いな人。
と、舌打ちをしてマスクを取った先輩。
「なんだ、つまんないの」
なんで逆にガッカリしてるのアッキー…。
なんやかんやで気づけば最後の1枚。
“はーい、じゃあお友達とくっついて~”
「わっ…!」
ぐいっと、左隣の男は私の肩を引き寄せてきた。
「なにすんのアッキー!」
「だっておトモダチとくっつけって言われたから」
───…お友達。
アッキー、やっぱり私のこと友達として認めてくれてる…。
あんなに苦労して毎日がんばった甲斐があったみたいだ。
「おい、くっつきすぎだろ。離れろ」
「ちょっと何すんの。藤城サンは別に入らなくていいから」
「勘違いすんなよ。俺たちがお前をわざわざ入れてやってんだろ」
ぐいぐいと、またもや競い合い始める両サイド。
もう放っておこう。
「わっ…、」
ふわっと、先輩の髪が私のおでこにかかりそうなくらいの至近距離。
“はい笑って~。3、2───”
「あははっ!」
───カシャッ!
「……お前がいちばん楽しそうに笑ってんじゃん、チビ」
「そう?…え、てか2人ともなんでカメラ見てないの!?せっかく俺もいい感じに写ってるのに!!」
最後の1枚、なぜか両脇の男たちは私を見つめていた。
そんな3人並んだ1枚は、この先もずっとずっと大切な宝物になること間違いナシ。