キミの世界で一番嫌いな人。




藤城 理久と廣瀬 秋斗の関係も。
これから起こるたくさんの出来事も。

このときの私は全然わかっていなくて。



「初めてのプリクラが男同士って嬉しいの?チビ」


「嬉しいよ!!ありがとう2人ともっ!俺これ家宝にする!」


「ずいぶん安い家宝だな。てか、明日から顔に貼っとけよ。そうすりゃ学校でナメられねぇだろ」



修学旅行や文化祭。

たくさんの行事があるなかで私は男として生きれるのかな…。



「あっ、確かに!“俺たち3人友達です!”ってね!」


「いや藤城サンは違うから」


「一緒にクレープ食べてプリクラ撮ったらもう友達なんだよアッキー!」


「それはお前がいたから。ただそれだけ」



藤城 理久のために来たのに、いつも助けてもらってるのは私だ。


だけどこのとき絶対に彼にだけはバレてはいけない、隠さなきゃいけない気持ちが。

少しずつ、本当に少しずつ生まれていることに。



「先輩、俺たち友達ですよね…?違うの?友達じゃない…?」


「……友達、だ」


「やったーーーっ!!」


「うわ、たとえチビだとしても男の上目遣いにやられるって…相当こじらせてるね藤城サン」



私は気づかないふりをした。



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