九羊の一毛
*
その日は朝から体調が優れず、ベットの上に寝転んでいた。
本棚から適当に文庫本を何冊か抜き取って、枕元に積む。
人より横になっている時間が多い分、自然と本の数は増えた。体の調子を抜いても、自分はあまりアウトドア派ではない。
喉の渇きを覚えて上体を起こした。
何とはなしに時刻を確認して、そろそろ授業が終わる頃だろうか、と見当をつける。
「……今日、木曜か」
木曜。感慨深くも何ともない、ただの平日。
『委員会はちゃんと出ろよ』
不意に岬の忠告が脳内にこだました。
委員会は確か――木曜、だ。
「あー……最悪」
何がって、何もかもが。
体調不良は正当な理由だし、別に罪悪感を覚える必要もない。
じゃあ自分は一体、何に後ろめたさを感じているのか。
『ちゃんと冷やさないと、せっかくのイケメンが台無しだよ』
彼女は、俺がいなかったらどんな顔をするんだろうか。
喜ぶ? 困る? それともどうでもいい? 落ち込む……は、流石にないか。
今までの委員会――といっても数回だが――は、何だかんだで毎回出席していた。今日が初めての欠席だ。
「……はあ」
その日は朝から体調が優れず、ベットの上に寝転んでいた。
本棚から適当に文庫本を何冊か抜き取って、枕元に積む。
人より横になっている時間が多い分、自然と本の数は増えた。体の調子を抜いても、自分はあまりアウトドア派ではない。
喉の渇きを覚えて上体を起こした。
何とはなしに時刻を確認して、そろそろ授業が終わる頃だろうか、と見当をつける。
「……今日、木曜か」
木曜。感慨深くも何ともない、ただの平日。
『委員会はちゃんと出ろよ』
不意に岬の忠告が脳内にこだました。
委員会は確か――木曜、だ。
「あー……最悪」
何がって、何もかもが。
体調不良は正当な理由だし、別に罪悪感を覚える必要もない。
じゃあ自分は一体、何に後ろめたさを感じているのか。
『ちゃんと冷やさないと、せっかくのイケメンが台無しだよ』
彼女は、俺がいなかったらどんな顔をするんだろうか。
喜ぶ? 困る? それともどうでもいい? 落ち込む……は、流石にないか。
今までの委員会――といっても数回だが――は、何だかんだで毎回出席していた。今日が初めての欠席だ。
「……はあ」