諦めた心···(哲也中心)
翌日、姉のところへ行くと
千亜季と翼君
夏海さんと陽介さんも来ていて
話をして·····
ちび助達は、三人で遊んでいたが
楓が俺と一華を見つけて
「パパっ、ママっ」と言って
一華の元へ、トコトコやってきて
一華が楓を抱き締めると
「てっちゃん、なんだか楓で
熱いような?」
と、言うから
楓のデコと首もとを触ると少し熱い
千亜季が向日葵クリニックに
直ぐに連絡してくれて
そちらに向かう。
結翔や奏多君は、
なんともないみたいだが
楓を心配していたから
大丈夫だと伝えた。
たぶん、お兄ちゃん達と
遊べて嬉しくてはしゃぎすぎたんだろう。
向日葵クリニックにつくと
一也君が待っていてくれて
挨拶もそこそこに診察してくれた。
「お母さん、大丈夫ですよ。
風邪をひいたようですね。」
と、言われて
一華が、ホッとしている姿を
改めてみた一也君は、
驚いた顔を俺にした。
「あっ、一也君。
俺の妻、一華だ。
そして、息子の楓だ。」
と、言うと
「一華といいます。
先生、急な対応ありがとうございます。」
と、一華が言うと
「西 一也です。
奥菜先生の奥様でしたか。
まだ、少し熱が出るかもしれませんが。
お薬をきちんと飲めば
直ぐに良くなります。」
と、楓の頭をよしよししながら
言ってくれた。
一華は、千亜季から話を聞いたばかり
だったと説明していた。
すると診察室のドアが開き
男の子を追って女の子が入ってきた。
「こら、伊織、またお姉ちゃんを
困らせて。
樹莉、いつもありがとな。」
と、一也君が言うと
女の子はニコニコしていた
そこへ
「もう、パパのお仕事の邪魔を
しちゃダメって言ってい······
奥菜先生?」
「あはは、頑張ってるな梓さん。」
「さっきの千亜季さんの電話?」
「そうみたいだ。千亜季が
連絡してくれて。
聞いたよ。千亜季と連絡取り合って
いるんだって。
翼君が千亜季が一也君を
誉めるからと妬いていたよ。」
「嘘。本当に翼君、
千亜季さんには、素をみせるよね。
不思議。」
と、梓さんが言い
「夫婦って、不思議ですね。」
と、一華が言うと
「奥菜先生の奥様で一華さんと
紹介されたよ。」
と、一也君。
「初めまして、西 梓です。
子どもさんの事で
何かありましたら
いつでもいらして下さい。」
と、梓さんが言ってくれて
「ありがとうございます。
私がこんな体でも仕事をしている
関係で母に楓は見てもらって
います。その節は宜しくお願いします。」
と、言う一華に
「無理されなくて大丈夫ですよ。
奥菜先生の為なら
一也君が往診もしますから。」
と、言ってくれて
それは、申し訳ない·····とか
本当に行きますよ····とか
と、話してから帰宅した。
楓は、一華の膝で眠ってしまい
俺がベッドに運んだ。
このまま熱が下がるといいが。
その間に
一華は、千亜季と姉の静に
連絡をして
「風邪みたいです。」
と、報告して
「とても優しい先生で
気に入っちゃいました
教えて頂いてありがとうございます。」
と、話していた。
「夏海さんと陽介さんも
心配してくれていると思うから
千亜季さんから連絡して
もらっていいですか」
と、頼んでいた。
本当に不思議な縁だなぁ
と、改めて俺は思っていた。