諦めた心···(哲也中心)
一也君と梓さんも幸せそうで
よかった。
一也君は、子育てを少しでも
手伝いたくて開業したようだ。
良い、お父さんであり
旦那さんでもあり
腕利きの医者でもある
素晴らしいと思う。
楓は、熱も下がったが
一華が心配して
もう少し薬をもらうことにして
一華が早く仕事が終わり
薬を貰いに
向日葵クリニックへ
俺は、後から迎えにいく。
姉の所に楓もいるから。
俺が向日葵クリニックにつくと
待ち合い室で······
一華と女性が話をしている
あれは······
旭の嫁になった真優さんだ。
「あっ、てっちゃん。
旭のとこの彩ちゃんも風邪みたい。」
「こんにちは。」
「ああ、こんにちは。」
と、真優さんと俺が挨拶をしていると
「あっ、真優。彩は?」
と、言いながら入ってきた旭は、
「ええっ、一華と奥菜さん」
「旭、仕事は?」
「なんで、お前もいるんだよ。」
と、一華と俺が言うと
「あ~、仕事は木原さんに。
そんなに嫌わないで下さいよ、奥菜さん。」
と、困った顔をしてる旭。
旭と真優さんにも
第一子の女の子で彩ちゃんが
産まれた事は一華から聞いていた。
今でも、一華と旭は、
一緒の部署にいる。
俺も一華のとこの角田所長も
「出す。」と、言ったのだが
一華が
「旭は、仕事はできるから」
と、言いはり残留になったのだ。
「あ~あ、木原さん、可哀想に。
てっちゃんも、真優さんの前で
旭を苛めないでよ。」
と、言う一華に
「へいへい」
と、答えていると
真優さんが笑いだして
一華と真優さんは、目をあわせて
笑っていた。
どうやら、向日葵クリニックを
教えたのは一華らしい。
一華は、真優さんとLINE友達だ。
旭とLINEとかすると
俺が嫌がるし
旭とは、LINEもしたくないと
率直に言うから
旭は、苦笑いをしていたが·····
旭が既婚者だと知らずに
付き合っていた真優さん。
一華に初詣の時に
知らないにしても
一華を傷つけ、離婚となり
旭から、離れようとしていたのを
一華が止めた。
だが、中々、旭との結婚にも
了承しない真優さんと
旭の父親を説得したのも一華だ。
まぁ、旭のお袋さんには、
会いたくないみたいだが。
今でも
言われた言葉が重くのしかかって
いるみたいで。
いまだに合うことはない。
当時、旭の父親から、
かなりしかられた
旭と母親は、
自分達が、なにげに吐いていた言葉が
どれだけ、一華を傷つけたのかを
やっとわかったようだ。
母親は、一華に謝罪をしたいと
言ったが、一華は合うことは
なかった。
旭に対しては、一番苦しいとき
辛いときにそばにいて支えて
もらったからと
それに自分が旭を嫌うと
真優さんが気にするからと
仕事仲間として接している。
そんな一華を旭の父親は
申し訳ない気持ちでいっぱいみたいだが
一華が、自分の妻に
合わないことは
かまわないと納得してくれていた。
だから、旭の母親は
今では真優さんを大切にして
いるみたいだ。
それで良いと俺は、思っている。