諦めた心···(哲也中心)

飛鳥さんのご両親は
菫さんが同行したことに
ひどく感動されて
結婚の事、アメリカ移住の事を
了承してくれた。

式と言うか
パーティーを日本で行う。

怜の事務所からは、代表でボスが
出席することに。
日本の弁護士や検事に
揃うのが楽しみのようだ。


海の見える綺麗な場所だ。

小さな教会もあり
海辺と山向きにパーティーホールが
一つずつある。

教会で簡単に式をあげてから
海辺側のパーティー会場へ移動する。

式には、
怜と飛鳥さん

飛鳥さんの両親
菫さんと怜のボス
日和と咲良子さん
千亜季
俺と一華が入る。

翼君は、結翔を連れて
姉の静と楓といてくれた。

真っ白なウェディングドレス姿で
飛鳥さんのお父さんと
入場してくる飛鳥さんを
怜は、嬉しそうに見ていた。

こいつ、こんな顔も出来たのかと
思ってしまった······

一華は、終始涙ぐんでいるし
まったく、怜のための涙だと
思うともったいない。

一華に言ったら、叱られそうだが···

パーティーの会場に移動となる。

俺と一華の宝ものは
俺の姉・静が一緒に居てくれた。

一華が
「楓(かえで)!」と、呼ぶと
ニコリと笑って
一華に向かってくる楓。

そんな一華の後ろに俺が回り
二人を支える。

楓は、もうすぐ2歳になるが
まだ、一華の足の全てが理解できる
わけではないから
俺は、これで良いと思っている。
「楓、静さんに遊んでもらったの?」
と、一華が訊ねると
「うん、ねぇ?」
と、姉の静を見る楓に
姉は、
「とっても良い子にしてたのよ。」
と、楓の頭をなでると
楓は、とても嬉しそうにしていた。
「そう。楓は良い子だね。」
と、一華が言っている間に
俺は、一華の体制を整える。
すると、一華は
「てっちゃん、いつもありがとう。」
と、言うから
「言葉より態度で示して欲しいな。」
と、言うと
真っ赤になりながら
「やだっ」
と、言う一華に
『じゃ、帰ってからな。』
と、ヒソッと言いながら
楓を抱き上げると
楓は、大喜び。

そんな俺達の所へ
千亜季と翼君と結翔がやってきて
「相変わらずですね。哲也さん。」
と、翼君
「叔父さん、年、考えてね。」
と、冷やかす千亜季
結翔は、
「てっちゃんは、一華ちゃん
大好きだからね。」
と、ニヤニヤしながら
言うから
結翔の頭をグリグリしてやると
「いってぇ」
と、騒いでいると······
< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop