諦めた心···(哲也中心)
「あれ?千亜季?」と、夏海さん?
「えっ、夏海?」と、千亜季
「あっ、奏多お兄ちゃん!」と、結翔
「パパ、結翔君がいるよ。」と、奏多君
鏡さんも側に来て
千亜季も翼君も
俺もびっくりしていると
「どなた?」と、一華
俺達三人が黙ると夏海さんが
「もしかして、奥菜先生の奥様ですか?
私は、千亜季を傷つけた者です。
なのに、今も、友達で
いてくれる千亜季の友人の
鏡 夏海と言います。
隣にいるのは主人の陽介と
息子の奏多です。」
と、ちょっと情けないように言う
夏海さんに
「うふふっ、あっ、ごめんなさい。
私は、奥菜 一華と言います。
笑ってごめんなさい。
きっと、千亜季さんは、
そんな夏海さんだから
今でも友人でいたいのだと
思いますよ。」
と、言うと
千亜季と夏海さんは、顔を見合わせて
クスクス、笑いあっていた。
それから、てっちゃんが夏海さんの
為に動いた事も聞いた。
「さすが、てっちゃん。」
と、一華が騒いでいると
「ねぇ、夏海、ところで、今日は?」
と、千亜季が訊ねる
「ああ、あのね」
と、夏海さんが言い淀んでいると
「私が無理やり連れてきたのです。」
と、陽介さん。
夏海さんは、はぁ···と。
千亜季と翼君は顔を見合わせ
俺と一華も、なんだ?と
日和と咲良子さんも、ん?と
姉・静とお義母さん・菫さんは
静観していて
奏多君と結翔と楓は、なにやら
楽しそうに遊んでいる。