諦めた心···(哲也中心)
千亜季は、夏海さんに
「自分が幸せになったから
言えることかもしれないけど。
大典の事も夏海の事も
何にも思ってないの。
ごめんね。当事者には
ずっと辛い思いがあるよね。
私は、そこまで気が回ってなかった。
本当に大典の事は、今話題に出るまで
忘れていたぐらい。
夏海の事は、友達だと
思っているから普通だよ。
でも、あの時がなかったら
翼とも結翔とも出会ってない。
陽介さんじゃないけど
私にとって、翼と結翔は
大切で、とっても大事な家族
だから、この二人の為に
毎日を送っているから
人の事を考える余裕はないよ。
わかった、夏海。」
と、言うと
そんなことない、とか
うん、うん、と頷く夏海さんに
「なら、いっといで。
あっ、千亜季がおめでとうと
言ってたよ、と大典に伝えて。」
と、言うと
夏海さんは困った顔をして
「わかった。」
と、言うと
「また、結翔に奏多お兄ちゃんと
遊ぶ時間を作って下さい。」
と、翼君
「ありがとうございます。」
と、夏海さんは言って
陽介さんに連れられて
奏多君と山側のパーティー会場に
向かった。
「それでは、俺達もそろそろ。」
と、俺が言うと
みんな、そうだね・・とか
不思議ね・・とか
偶然だね・・とか
話しながらパーティー会場に
入って行く。
俺も···そう思いながら
楓を抱いて、一華を支えながら
会場に入った。
大典の幸せを願いながら····
これで、大吾さんも
きっとホッとしただろう
と、思っていると
一華が俺を見て微笑むから
あまりの可愛さに
一華のおでこにチュッとする。
一華は、ゆでダコになっていたが···
「ねぇ、ゆいちゃんは?」
と、楓で言うから
楓を一華に渡して
結翔を連れに行き
少し千亜季と翼君と話して
結翔と一緒に席に戻ると
楓がきゃ~、きゃ~と
喜んでいた。