諦めた心···(哲也中心)

式の時は、緊張した面持ちの
怜だったが
パーティーに入ると
終始ニコニコしていて
あんな怜を見たことないなぁ
と、皆で話をした。

飛鳥ちゃんも怜と顔を見合わせては
ニコニコしていて
良い関係なのがわかる。

飛鳥ちゃんのご両親と
親族の皆さんが10名

怜の方は、俺達11名

こじんまりとしているが
心から二人の幸せを
願っている人達だから
和気あいあいと
終始笑いのたえない
パーティーだった。

二人から挨拶を頼まれた
日和は、笑いあり、涙ありの
話をして最後には
怜が日和の元にきて
がっちりと抱き合っていた。

回りは、涙しながら
二人を冷やかしたりして
思い出に残る結婚パーティーとなった。

会場を後にするとき
「一華。」
と、怜が。
立ち止まる一華に
「一華、本当にすまなかった。
沢山、辛く苦しい思いをさせて。
これからも、それは続くと····
「大賀さん、いや、怜。
もう、やめて。
謝るくらいなら
怜が幸せな姿をみせて。
その方が、私も嬉しいから。
私は大丈夫。
だって、私にはピカいちの旦那さんが
ついているから。
だけど、怜も飛鳥ちゃんも
身体だけは、気をつけてね。
そして、日本に帰ってきた時は
うちにも顔を見せてね。」
と、言うと
「「ありがとう・ありがとうございます。」」
と、怜と飛鳥ちゃん。

怜が俺を見るから
嫌だけど、頷くと
少し笑って
一華を抱き締めた。

一華は、びっくりしていたが
俺が一華の頭を撫でると
わかったのか
怜の背中に手を回して
「怜、幸せになってね。」
と、言うと
怜は、一華の肩におでこをつけて
頷いていた。

「怜、早く返せ。」
と、俺が一華を引き寄せると
皆が、また笑いだして

まったく····油断もすきもない···
と、思う俺の方がひねくれているのかも
しれないか·····
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