空仰げば、遠くにキミ。【完】



「え、これ?」



私が拾ったのは、ボール型で可愛い顔の描かれたぬいぐるみだった。



「おれ、今からそっち行くからー」



古泉くんの姿が消え、古泉くんと同じグループの面々がごめんねー、とクスクス笑いながらこちらを見ている。


まだ部活まで時間あるし、その場で待ってるのも悪いな、と思い私は校舎の中に入った。


壁に寄っかかってそのぬいぐるみを上に投げながら、ボーッとして待っていると、武藤さん!と足音と共にそう呼ぶ声がした。



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