姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生

「どうせ」

どうせ、あの時これを言ったって、星哉たちは
信じてくれなかったでしょうけど

「お、お父様に言いつけるわ!」

「バカ言うんじゃねぇ。これは族だぜ?
お前の言う言いつけは、こっちの世界では通用しねぇぞ?」

「・・・」

悔しそうに手を握って立ちすくんでいる彼女。

「ねぇ、皆」

「璃和?」

「あの時、この中で下っ端でも誰でもいいから
あたしがやってないって1人でも言ってくれてたら
信じてくれてたら、それでよかったんだよ。あたしは」

「・・・っ」

「悪かった。璃和。神楽は、先代の言うように解散する」

「い、嫌よ!解散なんて、させないわ!」

「あの時言った言葉を無視して、2年。
お前らはいいよな?自由に出来てて。
でもな?璃和は、お前に着けられたレッテルを今でも背負ってるんだぞ!?」

「くっ」

「お前にもつけてやろうか?元妃を陥れた現妃って」

「なっ」

「それが嫌だと思うなら、解散だ。
あの時、代替えも選択肢に出してやったのに、それをしなかった
璃和が、お前にこのレッテルをつけなかったのは
璃和は知ってたんだよ。お前に子のレッテルを張れば
佐々木の家がどうなるかも。俺達には関係ない。
だけど、お前の家は子のレッテルを張られた家族になっちまうからな」

「・・・!?」

「お前らは、璃和を追い出しても璃和に守られてる幸せ者だったってことだ」

「そ・・・んな・・・」

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