姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「玲央君。帰ろう?
ここに居たら」
お腹の子供に障る
「そうだな。川谷。お前は
信じなくちゃいけない女を間違えたな」
それだけ言うとあたしの手を引いて歩き出した玲央君
後ろを振り向くと悔しそうにしている幹部たちの姿が映った。
「星哉」
「璃和?」
最後にそうやって名前で呼ぶんだね?
「あたしは、樹梨に何をされても何も言わなかったのにね?」
「あ?」
「あたしは、誰に信じてもらえなくても、
星哉にだけは、信じて欲しかったよ」
「・・・っ」
「バイバイ」
そう言うと玲央君の仕事用の車に乗り込んだあたし
学校も辞めて、子供を産むには実家にいるよりも
酒井の家にいた方が安心だ
そう言ってくれて、実家にも帰らなくなった。
「璃和」
「ん?」
「これ以上泣くな。あいつらも、心配する」
「うんっ」
だけど、ごめん。今だけは泣かせて。
酒井の家に付くまでには泣き止んでいつものあたしに戻るから