姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「つーか。どこで、川谷と出会ったんだよ」
星哉とあたしの出会い?
「あたしと星哉の出会いは、2年前。」
「2年前?」
「そう。2年前。多分紅蓮の関係だったんだと思う。
神楽が、紅蓮の管轄に来ていた時だった。
あたしは、特別誰かといたわけじゃないし
そんな目立つ場所にいたわけでもないのに、星哉はあたしを見つけ出したのは
2年前の梅雨の時だった」
「2年前」
「梅雨の時期?」
何かあったっけ?そんな顔をしている紅蓮の幹部たち。
「覚えてないの?自分たちが幹部になった時」
「あっ」
「お前ら大丈夫か?」
「あたしは、愁君たちと遅れて合流しようと思っていたから。
たまたま、神楽が走ってた場所を通り過ぎようとしたときに
星哉に声を掛けられた」
「アイツに?」
「そう。星哉の第一声はね?”お前どこかの姫か”ってね」
「は?」
「愁君たちの代の姫だったし、それを軽々しく
そのことを言うこともできないし、あたしが言うこともない。
そう思ってたから黙ってた。でもね?神楽にいるアイツらが、それくらいじゃ諦めなくて
2日目、3日目と毎日よ?毎日あいつらは来たの。
どこかの姫になってるのか。
俺達の声にも反応してくれよ。とかね。
でもね。さすがに、あぁも来られちゃいやだから
言ったのよ。”雨宮”ってね」
「名字を教えてたのか」
「えぇ。星哉は気づいてなかった。というよりも
今も分かってないかもしれないけど。
他の幹部たちは薄々気づいてたのかもしれない。
”雨宮”がどんな存在なのか。
それでも、めげずに来た星哉に、フルネームを言ったわ。
だけど、アイツはそれですら気づいてなくて。
”俺が、お前を好きになったんだ。神楽の妃になってくれないか。
嫌、神楽の妃になってくれ”あいつは、あたしにそう言ったの
別に、あの当時神楽を好きか嫌いかで答えろって言うなら、嫌いだったわ。
当然追い出されたのだから、嫌いではあるけど」