姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「このネクタイは、玲央君の物だから」
「「兄貴のかよ」」
俺達ももらえなかったのに。
この2人の表情を見ればわかる
「本当は、愁君や、由依ちゃんのでも良かったんだけどね。
このネクタイをつけている限り、あたしは
紅蓮の”幻”の姫であることを象徴してる」
「幻・・・?」
後にも先にも、姫を付けたのは10代目だけだったと聞いている
こいつらはそれも知らないの?
それで幹部なの?
「妃と姫が同時にいた代は愁君たち10代目の時だけ。
年が離れた姫だったからこそ、今の時代のあいつらやあんた達に牽制をかけてる
それがこのネクタイの意味。
”このネクタイをつけてるのに喧嘩を吹っ掛けたら10代目が動く”ってね」
「!?」
おぉ。驚いてるじゃん。さすが、現役
「じゃあ、今の紅蓮が嫌いなのは」
「昔の良いところが少なくなってることよ。力任せになって
下の子たちをあまり見ていない。だからこそ
傘下だった神楽にまで目が届きにくくなってた。」
「・・・」
「じゃあ、それが愁君たちだったら。って考える」
「なっ」
「9代目の時も、7代目の時もって考える」
「8代目は、いれねぇのか」
「8代目はあたしのことが嫌いだったから。
いつも一緒に居る、愁君や由依ちゃんのことも嫌ってた。
そんな人たちを憧れる存在にはしないわ」
「なっ」
「だからかぁ。今の代は8代目に少し似てる」
「・・・っ」
「分かる?あたしの気持ちと、今の幹部たちの気持ちが全く別だって
だからこそ、憧れるべき相手も、見るべき人たちも間違えないで。
それが見えてこない限り、あたしは、紅蓮にも紅蓮妃にも姫にもなるつもりはない」
「そうか」