姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「知らないわよ。ただ、星哉には教えたけど。
当分は合わせるつもりはないし、姫奈がもう少し大きくなってからかなぁ」
「そうか」
小さい椅子に座って食べている姫奈。
テレビの前で食べるのは、途中で止めるとご飯を食べなくなるからだ
「さ、食べちゃってくれる?」
「お前のは」
「姫奈が終わってから」
「マジかよ」
いつものことだもの。別にこれが普通でしょう?
姫奈が食べ終わるのを確認してから
自分も食べ始める。
「つーか、お前少なくね?」
「いつもこんな感じだけど」
「にしては少なすぎ」
自分も食べ終わって、食器を片付けた後
「で?何かあるから、ここまで来たんでしょう?」
昼間の話だったら考えようかしら
「倉庫で話したことだ」
あぁ。途中で帰っちゃったしね」
「お前が、10代目の時の姫だと知らなかったのに
それでも、”俺が”お前を離したくないと思ってるのも事実だ」
はい?
「お前を守れるように紅蓮の妃になって欲しい」
ふーん
「だから、考えてくれないか?」
「倉庫で、姫奈があたしと一緒だったら。そう言ったでしょう?
きっと、姫奈はもう”お姫様”の気分でいるんだと思う。
ましてや、”人見知り”の激しい姫奈が、あなたには懐いている。
きっと、今姫奈から紅蓮の人たちを離したら泣きじゃくって
あたしから離れるんでしょうね」
姫奈の方を見ると、テレビに夢中になっててあたしたちの会話になんて
見向きもしてないところを見ると
自分には関係のない話だと思っているんだろう
「雨宮」
「紅蓮の妃と姫の違いは何か知ってる?」